スマホからPC、タブレット、カメラ、外付けストレージまで——今やほとんどのデバイスで採用されているUSB Type-C(USB-C)端子。
しかし、「全部同じように見えるのに、ケーブルやポートによって速度や機能が違う」というややこしさがあります。
さらにそこにThunderbolt(サンダーボルト)という規格も混ざり、混乱は加速…。
ややこしいUSB Type-C(USB-C)端子について整理します。
USB Type-Cとは?
USB-Cは端子の形状を指す言葉です。
- 裏表関係なく挿せるリバーシブル形状
- USB-TypeAよりも小型
- 電力供給・データ転送・映像出力が可能
重要ポイント:USB-Cは形だけの話で、中身(規格や機能)は別です。
たとえば同じUSB-C端子でも、転送速度がUSB 2.0(最大480Mbps)しか出ない場合もあれば、USB4(最大40Gbps)に対応している場合もあります。
他のUSB端子の形状
USB-C以外にも、これまでにさまざまな端子形状が存在します。
形状 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
USB Type-A | 最も一般的な長方形の端子。裏表があり、挿す向きが決まっている | PC、USBメモリ、充電器など |
USB Type-B | 四角に近い形で、上下が斜めカット。プリンタやスキャナによく使われる | プリンタ、オーディオIF |
Mini-USB | Type-Bを小型化した形。古いデジカメや外付けHDDで使われた | デジタルカメラ、ポータブルHDD |
Micro-USB | さらに薄型化した端子。スマホやガジェットで長く主流だったが、USB-Cに置き換わりつつある | Androidスマホ(旧モデル)、モバイルバッテリー |
Lightning(Apple独自) | iPhoneやiPad専用の8ピン端子。リバーシブル設計 | iPhone、iPad(旧モデル) |
💡 豆知識:
USB Type-Cは、これらすべての端子形状の後継として設計され、
「これ1本で充電もデータも映像も」という統一規格を目指しています。
USB規格のバージョンと速度
USB-C端子でよく使われる規格を整理するとこうなります(2025年時点)
規格名 | 最大転送速度 | 主な特徴 |
---|---|---|
USB 2.0 | 0.48Gbps | 充電専用ケーブルに多い |
USB 3.2 Gen 1 | 5Gbps | 昔の「USB 3.0」と同等 |
USB 3.2 Gen 2 | 10Gbps | 高速外付けSSD向け |
USB 3.2 Gen 2×2 | 20Gbps | 両レーン使用で倍速化 |
USB4 | 20〜40Gbps | Thunderboltと互換あり |
※「Gen」表記はややこしいですが、数字が大きいほど速いと覚えればOKです。
Thunderboltとは?
ThunderboltはIntelとAppleが共同開発した高速接続規格で、現在はThunderbolt 4が最新。
見た目はUSB-C端子と同じですが、最大40Gbpsの帯域を持ち、データ転送・映像出力・充電を同時にこなせます。
特徴:
- PCI Express(PCIe)経由で外付けGPUや高速ストレージが利用可能
- 最大2台の4Kモニター出力、または1台の8K出力
- USB-Cと完全互換(ただしThunderbolt機能は非対応機器では使えない)
見分け方:
- ポート横に稲妻マークがある場合、Thunderbolt対応
- ケーブルにも「40Gbps」「Thunderbolt」などの表示があると確実
USB Power Delivery(USB PD)と充電性能
USB-Cは**充電規格USB Power Delivery(USB PD)**に対応可能。
- 最大240W(USB PD 3.1 Extended Power Range)まで対応
- スマホからノートPC、モニターまで給電可能
- ケーブルは必ず「USB PD対応」表記を確認
注意点:
- ケーブルがPD対応でも、充電器や端末が対応していなければ高出力にならない
- 安価なケーブルは過電流保護が不十分なこともあるので要注意
ケーブル選びの落とし穴
同じUSB-Cケーブルでも機能差は大きいです。
選び方のポイントは以下です
- 何に使うか決める(充電だけ?データ転送も?映像出力も?)
- 規格と速度を確認(USB 2.0/3.2/USB4、20Gbps/40Gbps)
- 充電出力を確認(60W, 100W, 240W)
- メーカーの信頼性(Anker, Belkin, Cable Mattersなど)
まとめ:迷ったらこう選ぶ
- スマホ充電だけ → USB 2.0 + PD対応(安価でOK)
- 外付けSSDや高速データ転送 → USB 3.2 Gen 2(10Gbps)以上
- 4Kモニター出力や外付けGPU → Thunderbolt 4ケーブル(40Gbps, 100W以上)
💡 豆知識:
Thunderbolt対応ケーブルはUSB4ケーブルとしても使えるため、
「迷ったらThunderboltケーブルを買う」というのも実は正解です。
最後に
実はUSBケーブルの規格や機能を意識せずに購入していた方も多いと思います
これを機に本当に自分に必要なUSBケーブル選定をしていきましょう
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