逆ポーランド記法の由来とは? 数学から電卓まで広まった理由

応用情報技術者試験の勉強中に逆ポーランド記法という言葉が出てきました。

名前が特徴的だったので覚えるのに苦労しなかったのですが、名前の由来が気になってしまったので調べてみることにしました。

この記事では逆ポーランド記法の名前の由来、コンピュータや電卓での活用について説明します。

逆ポーランド記法とは?

数式の書き方には「通常の書き方(中置記法)」のほかに、ポーランド記法逆ポーランド記法があります。

  • 中置記法: 3 + 4
  • ポーランド記法(前置): + 3 4
  • 逆ポーランド記法(後置): 3 4 +

逆ポーランド記法では括弧が不要で、スタックを使えば簡単に計算できるのが特徴です。

スタックとは?

スタック(stack)は、「後から入れたものを先に取り出す」という仕組みを持つデータ構造です。
イメージとしては「積み重ねた皿の山」に近いです。

  • 皿を重ねる → データを積む
  • 上の皿を取る → データを取り出す

逆ポーランド記法の計算では、この仕組みを使って次のように処理します。

例:3 4 +

  1. 3 をスタックに積む
  2. 4 をスタックに積む
  3. + が出たら、スタックから 2つ取り出して 3 + 4 を計算し、結果 7 を積む

最終的にスタックに残った数値が答えになります。

ポーランド記法の誕生

ポーランドの論理学者ヤン・ウカシェヴィチが、論理式を括弧なしで表現できる方法として前置記法(ポーランド記法)を考案しました。

逆ポーランド記法の誕生

その後1950年代、オーストラリアの論理学者チャールズ・ハンブルンが「演算子を後ろに置く方法」を提案しました。
これが現在よく知られている逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation: RPN)です。

名前の由来は単純で、「ポーランド記法の逆」だから。
直感的に理解しやすく、コンピュータ向けに適していたため、後に広く使われるようになりました。

コンピュータと電卓での活用

逆ポーランド記法の魅力は、括弧が不要で計算処理がシンプルになることです。
スタックを使えば順番に積んでいくだけで答えを得られます。

そのため1960年代以降、コンピュータ言語や電卓で採用されました。
括弧や演算子の優先順位を考えなくて済むため、プログラムや数値計算の効率化に役立ったのです。

まとめ

  • 1920年代: ヤン・ウカシェヴィチが「ポーランド記法(前置記法)」を考案
  • 1950年代: チャールズ・ハンブルンが「逆ポーランド記法(後置記法)」を提案
  • 1960年代以降: コンピュータや電卓に採用され、実用的な記法として普及
タイトルとURLをコピーしました