最近英語系のインフルエンサーの動画を見ていて「literally」という英単語を耳にしました。
どこかで聞いたことあるなと考えていて思い出したのがプログラミングをしていると必ず出てくる「リテラル(literal)」という言葉。
実はこの2つ、同じ語源を持つ“兄弟”のような存在なんです。
英語とプログラミング、一見関係なさそうなこの2つの世界を、「文字通り」の観点からつなげてみましょう。
英語学習者にもエンジニアにも、どちらにも役立つ“語源と概念”の話をお届けします。
literallyの意味と現在の使われ方
英語の “literally” は、もともと「文字通りに」という意味の副詞です。
例えば:
I have literally nothing to do.
私は本当に何もすることがない。
このように「実際にそうだった」と言いたいときに使います。
ただ最近は少し違う意味で使われることも増えました。例えば:
I literally died laughing.
死ぬほど笑った
このよう、”literally”は逆に「強調や誇張」として使われることもあるのです。
いわゆるカジュアル英語やSNSでは、「ガチで」「マジで」みたいなニュアンスとして使われています。
一見矛盾しているようですが、英語は生きた言語。時代とともに変わっていきます。
プログラミングにおける「リテラル」とは?
さて、ここでプログラミングの話です。
プログラミングで「リテラル(literal)」という言葉を聞いたことはありませんか?
x = 5 # 数値リテラル
name = "Tom" # 文字列リテラル
flag = True # ブールリテラル
このように、ソースコードに「そのまま書かれている値」のことをリテラルと言います。
「5」や「”Tom”」、「True」などは、計算や関数を介さず、コードに直接書かれた“そのままの値”です。
つまり、「リテラル」は「文字通り書かれた値」=「変わらない事実」という扱いになります。
共通点:「文字通り」を意味する語源
“literally” と “literal” は、どちらもラテン語の littera(文字) に由来しています。
- literal(形容詞):文字通りの、本来の、逐語的な
- literally(副詞):文字通りに、実際に
両者の共通点は、「言葉を飾らず、正確にそのまま伝える」という姿勢です。
- 英語では、比喩でなく “そのまま” を伝える意味で literally を使う。
- プログラミングでは、式ではなく “そのまま書かれた値” をリテラルと呼ぶ。
文字の力を信じて、「書かれているまま」を大切にするという点では、完全に同じ精神なんですね。
英語の変化とプログラミングとの対比
ここで面白いのが、英語とプログラミングの違いです。
英語は変化する
- literally は「文字通り」という意味から、「強調のための誇張表現」にも使われるようになった。
- 言葉の意味は時代とともに柔軟に変化していく。
プログラミングは厳密
- literal(リテラル)は、常に「そのままの値」を意味する。
- 値や型に間違いがあるとエラーになるように、言葉の意味は明確で変わらない。
つまり、言葉としての「literal」は揺れ動き、コードとしての「literal」は一切ブレないという対照があるのです。
まとめ:literalという言葉から学ぶこと
「literally(英語表現)」と「リテラル(プログラミング用語)」は同じ語源から生まれた言葉ですが、それぞれ異なる場面で、異なる意味で使われています。
しかし、両者に共通するのは、「文字通りの意味を尊重し、そのまま正確に伝える」ことです。
この対照的な性質を知ると、英語とプログラミングの「伝え方の違い」がちょっと面白く感じられるはずです。
「literal」というキーワードを通して、英語もプログラミングも、ちょっと深く理解できるようになると良いですね。
用語 | 意味 |
literally | 文字通りに/実際に |
literal(リテラル) | プログラム中の定数値(5,”hello”,trueなど) |
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