応用情報技術者試験を勉強しているときにEVMという単語が出てきてわからなかったので関連用語をまとめます。
EVMとは
EVM(Earned Value Management:アーンド・バリュー・マネジメント) は、
プロジェクトの進捗を 「金額(価値)」に換算して管理する手法 です。
EVMの基本用語
以下はEVMで使う基本的な用語です。
- PV(Planned Value:計画価値)
 ある時点までに「計画上やるはずだった作業量(コスト換算)」
- EV(Earned Value:出来高)
 実際に「どれだけ完了したか(コスト換算)」
- AC(Actual Cost:実コスト)
 実際に「かかったコスト」
この3つを使って、CPIやSPIが算出されます。
CPI(コスト効率指数)
CPIは、投入したコストに対してどれだけの成果が得られているかを示す指標です。
CPI=EV÷AC
- CPI = 1 → 計画どおり
- CPI > 1 → コスト効率が良い(予定より安く進んでいる)
- CPI < 1 → コスト効率が悪い(予定より高くついている)
SPI(スケジュール効率指数)
SPIは、計画に対して進捗がどの程度進んでいるかを示す指標です。
SPI=EV÷PV
- SPI = 1 → 計画どおり
- SPI > 1 → スケジュールが前倒しで進んでいる
- SPI < 1 → スケジュールが遅れている
具体例で理解する
イメージしやすいように、シンプルな例を考えてみましょう。
あるプロジェクトは 3か月で100万円 の計画。
1か月目が終わった時点での状況は次のとおりです。
- 計画(PV):30万円分の作業を完了しているはず
- 実際の進捗(EV):20万円分しか完了していない
- 実コスト(AC):25万円を消費
この場合のCPIとSPIは以下の通りです。
- CPI = 20 ÷ 25 = 0.8 → コスト効率が悪い(予定よりお金がかかっている)
- SPI = 20 ÷ 30 = 0.67 → スケジュール遅延(予定より進んでいない)
つまり、このプロジェクトは「お金も予定より多く使っているのに、進捗も遅れている」という危険信号です。
他の関連指標
CPIとSPIのほかにも、EVMには便利な指標があります。
- CV(Cost Variance:コスト差異) 
- CV=EV−AC
- プラスならコストを節約できている、マイナスなら超過。
 
- SV(Schedule Variance:スケジュール差異) 
- SV=EV−PV
- プラスなら前倒し、マイナスなら遅延。
 
- EAC(Estimate at Completion:完成時予測コスト) 
- EAC=BAC÷CPI
- 最終的にどのくらいコストがかかるかを予測。BACはプロジェクト全体の予算。
 
まとめ
- CPIは「コスト効率」、SPIは「スケジュール効率」を示す指標
- どちらも 1が基準値 で、1未満なら要注意
- CVやSV、EACなどとあわせて活用するとより精度の高いマネジメントが可能
- 指標はあくまで「状況を示す道具」であり、根本原因を分析して対策することが大切

 
  
  
  
  
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